お茶のルーツ!中国六大茶(+花茶)について解説します
今でこそ全世界で愛されているお茶ですが、もとを辿ると中国がルーツだと言われていて、日本茶も紅茶も中国茶から広まったものです。そんな中国茶ですが、1000種類以上もの名茶があることからわかるように、かなりのバリエーションがあります。中国茶はその1000種から、発酵度合いで「緑茶」「白茶」「黄茶」「青茶」「紅茶」「黒茶」の6つに、そしてそれに花の香りなどを吸着させた「花茶」の7つに区分されます。
ちなみに中国茶の主な産地は長江を中心とする地域で、中国茶全体の三分の二の生産量を誇ります。日本でもそうですが、地域によっても種類や味が異なり、たくさんの銘茶がありますので、興味がある方はぜひ飲み比べてみてください。
このページでは、中国六大茶・花茶について、違いをそれぞれ解説します。
烏龍茶を始めとする香り高いお茶「青茶」
青茶は、中国茶で「チンチャア」と読みます。
青茶はあまり発酵させないものからしっかり発酵させるものまでとても種類が多くバラエティ豊かです。共通しているのは、さっぱりとした飲み口であること。青茶の代表例として、日本だと烏龍茶がよく知られています。(最近だと台湾の凍頂烏龍も人気が出ていますね!)
青茶の魅力はなんといっても香り。東方美人という青茶は、紅茶のような風味と甘い蜜のような香りがし、ヨーロッパで人気を集めています。
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中国でもナンバーワン「緑茶」
日本でも親しまれている緑茶ですが、本場中国でも生産量がもっとも多く、6割ほどのシェアを占めています。
ただし製法にやや違いがあり、日本の場合は「蒸す」という工程を経ますが、中国の場合は「釜炒り」をして作られます。
そのため、日本茶よりも摘みたての茶葉の草の香りが特徴的です。
中国では写真にあるような、ガラス茶器で入れて飲まれるのが一般的です。
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香港で大人気!「黒茶」
日本でも一時期ダイエット茶としてブームになったプアール茶は黒茶の一種です。
独特の熟成された味わいと香りが特徴的で、香港では日常的に飲むお茶として親しまれています。
ダイエットに効果があるため、食中・食後に一緒に飲まれることが多いようです。
古くなればなるほど深い味わいが出るため、ワインのようにビンテージ品が存在します。
世界中の人が大好き「紅茶」
「世界三大紅茶」というブランドもあるくらい、世界中の人々に親しまれている紅茶ですが、もともとは中国で最初に作られました。
茶葉を酸化させ、完全発酵させて作られます。芳しい香りが特徴的で、中国ではストレートで飲まれることが多いようです。
中国の紅茶は渋味が弱く、甘くフルーティーな香りがあるのが特徴です。
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春摘みが絶品!「黄茶」
黄茶は長い歴史を持つお茶で、昔から献上茶(偉い人に出されるお茶)として知られています。
茶葉は春摘みのものが最上であると言われています。白茶と同じく、弱発酵の中国茶です。
ふくよかで風格のある、上品な味わいが特徴です。
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日本だと手に入りづらい「白茶」
白茶は、中国茶の中で他のお茶と比べると種類も生産量も少ないため、日本だとなかなか手に入りづらい高級なお茶です。
名前の由来としては、白い産毛があることから来ていて、産毛の生えた若芽を少し発酵させ、乾燥させて作られます。
ほのかに甘い上品な香りとデリケートで繊細な味わいが特徴です。
中国語で「バイチャ」と読みます。
見た目が麗しい「花茶」
花茶は花や蕾を乾燥させたものや、茶葉に花の香りをつけたもの、花をブレンドさせたものの総称です。
見た目が美しいだけでなく、やさしい花の香りがリラックス効果のある花茶もあります。
茶葉に香りがしっかりついているので、何煎でも美味しくいただくことができます。
のどから立ち上る香りを楽しみながら飲むとよいでしょう。
中国六大茶を簡単比較!
発酵度
- 緑茶:無発酵
- 白茶:弱発酵
- 黄茶:弱・後発酵
- 青茶:半発酵
- 紅茶:全発酵
- 黒茶:後発酵
香り
- 緑茶:豆、草系
- 白茶:果物系
- 黄茶:果物系
- 青茶:草、花、果物、実、薬など
- 紅茶:果物系
- 黒茶:薬、木
まとめ
ここ最近で日本でも人気の出てきた中国茶。
さすがにすべての銘柄を飲むのは難しいので、中国六茶の中で気に入った種類のものがあれば、ぜひ飲み比べしてみることをお勧めします。
TEA CLIPでもできるだけ多くの中国茶を紹介できるように努めますので、いろいろな記事に目を通してみてくださいね。
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